「扶養」の壁を乗り越えて夢を叶える家計対策

お子さんがテレビや舞台で活躍する姿は、親として何よりの喜びですよね。

さて、子役活動が軌道に乗って収入が増えてくると、パパママが頭を悩ませる「壁」が出てきます。
それが「税法上の扶養」と「健康保険の扶養」の問題です。

「扶養から外れるとどうなるの?」「仕事をセーブしたほうがいい?」

そんな不安を解消し、お子さんの夢を思い切り応援するためのヒントをご紹介します。

子役の税法上の扶養と健康保険の扶養について解説した画像

パパママを悩ませる「扶養」には、税金健康保険に関する2種類があり、それぞれ基準が違います。

扶養の壁

目的

収入の判断基準

負担の増加

税金の壁

親の所得税・住民税を安くするため

年間所得48万円以下
(給与収入なら103万円以下)

親の税金が増える

健康保険の壁

親の健康保険無料で入れるため

年間収入見込み130万円未満

子どもの保険料負担が発生する

💸 税法上の扶養から外れると出費が増える(103万円の壁)

お子さんの年間の合計所得金額が一定額(現在は所得48万円)を超えると、親御さんの「扶養控除」が適用されなくなり、親御さんの所得税や住民税が高くなります。

この「所得」を抑えるために、「経費」の対策がとても重要になります。

🩺健康保険の扶養から外れると保険料が発生する(130万円の壁)

税金の壁を越えても、お子さんの年間収入見込みが130万円未満であれば、引き続き親御さんの健康保険に入ったままなので、お子さん自身の健康保険料の負担は発生しません

しかし、もし収入が伸びて130万円以上になる見込みとなった場合、お子さんは親の扶養から外れ、ご自身で健康保険に加入し、保険料を支払うことになります。

  • 主な加入先
    収入額や働き方に応じて、国民健康保険(保険料を全額自己負担)または勤務先の社会保険(保険料を会社と折半)になります。多くの子役さんの場合は、国民健康保険への加入となる可能性が高いです。
  • 注意点
    健康保険の扶養は「今後1年間の収入の見込み」で判断されます。一時的に収入が増えた場合でも、継続的に130万円を超えるかどうかで判断が変わるため、必ず親御さんの加入している健康保険組合に確認しましょう。

「扶養の壁」のボーダーラインは、税金・健康保険ともに「収入から経費を引いたもの」で計算されます。
(厳密には、税法は「所得」、健康保険は「収入」の見込みで判断されますが、事業所得の場合は経費が重要です。)

経費をしっかり計上することで、「収入は増えたけれど、所得は扶養内におさまる」という理想的な状態を目指せます!

具体的にどんな費用が経費になるのか、詳しくはこちらのページをご覧ください。

とにかく、子役活動に関するレシートや領収書は全部取っておくこと!
これが家計を守るための何よりの対策です。

もちろん、たくさん仕事が来て、収入が増えるのは素晴らしいことです!
それは、お子さんの努力と才能が認められ、社会から必要とされている証拠です。

「扶養を外れるから仕事をセーブしようか…」と悩むのは、もったいないかもしれません。

なぜなら、一時的に扶養を外れても、その後のキャリアや経験は、金額に換えられない価値を生むからです。
パパママが最も大切にすべきは「子どものチャンスを最大限に活かすこと」ではないでしょうか。

最終的な判断は、ご家庭の状況や価値観によって異なります。

もしお子さんが「もっとやりたい!」と意欲に燃えているなら、パパママは不安を抱え込まず、税理士や社会保険労務士などの専門家に相談することを強くおすすめします。

扶養を外れても、それ以上に収入があればハッピー!です。

お子さんの夢を応援しつつ、賢く家計を管理するために、まずは「レシート集め」から始めてみましょう!